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認知症とともに生きる社会を目指して―ライフネット生命×エーザイ×なかやまきんに君イベントレポート

2024年4月16日、ライフネット生命は、認知症のリアルに向き合うイベント「認知症とともに生きる2024」を開催しました。

当社は、エーザイ株式会社と共同で開発した、認知症や軽度認知障害 (MCI)の早期発見・早期治療をサポートする認知症保険「be」を2024年4月1日から販売しています。同イベントは、高齢化社会における生活者の医療・介護に係る負担の軽減に貢献することを目指す活動の一環として開催しました。
エーザイ株式会社常務執行役(現在代表執行役専務COO(兼)チーフグロースオフィサー)内藤景介さんや、認知症の専門医・岩田淳先生、タレントのなかやまきんに君にもご登壇いただいたイベントの内容をご紹介します。


認知症エコシステムで社会課題の解決に挑む

「認知症とともに生きる2024」第1部は、ライフネット生命の代表取締役社長・森亮介の挨拶からスタートしました。

「認知症は複雑な社会課題であり、単一のソリューションで劇的な解決ができるものではありません。さまざまな業界のプレイヤーと同じ目的のもと、共同で取り組む必要があります」と語り、認知症の関連治療薬を開発し、認知症エコシステムの構築に取り組むエーザイと業務提携した経緯を語りました。

次いで登壇したのは、エーザイ株式会社の内藤景介さんです。同社は2023年12月、認知機能と日常生活機能の低下を遅らせることを実証し、承認された、世界で初めてかつ唯一の治療薬「レケンビ®」を発売しました。内藤さんは次のように話します。

(左から)森亮介(ライフネット生命保険株式会社 代表取締役)、内藤景介さん(エーザイ株式会社 常務執行役)
(左から)森亮介(ライフネット生命保険株式会社)、内藤景介さん(エーザイ株式会社)

「アルツハイマー型認知症は高齢者における認知症の約7割を占め、発症の15年以上前からそのサインが現れるといわれています。本人も介護者も、医療費などの経済的な負担はもちろん、生活面や精神面の負担も大きく、社会的なインパクトの大きい課題です。

弊社では40年以上前からこの領域に取り組んできましたが、認知症は創薬だけで解決できる問題ではなく、さまざまな領域のパートナーとともに解決していく必要があります。そのために構築しているのが、認知症エコシステムです。認知症は『備える』ことが非常に重要です。幅広い年齢層とつながり、オンラインの保険販売で実績を持つライフネット生命と提携し、両社の強みを生かした協業を追求していきたいと考えています」

トークセッションの中で、内藤さんは「これまでは認知症を自覚しても、対応策がありませんでした。一つの策として誕生したのが、アルツハイマー病治療薬「レケンビ®」。ただし、それ以外のステップも充実すると、発症に早く気づこうというモチベーションが高まると思います。認知症には、生活領域のソリューションが欠かせません。将来的には体重を簡単に測れるのと同じように、認知症についても脳の健康状態をセルフチェックできるようにしたいと考えています」と話します。

内藤景介さん(エーザイ株式会社 常務執行役)

森は次のように語りました。

「早期発見であればすべての年代の人が意識を持つことが重要になります。これからも認知症エコシステムの一翼を担うパートナーとして、良いサービスを磨き上げていきたいと思います。治療薬がなかった時代と、治療の可能性が生まれた時代とでは、一人ひとりの認知症に対する向き合い方は異なります。今後も互いの強みやカルチャーを組み合わせて、社会課題に取り組みましょう」

なかやまきんに君も初知り!  実は40歳から蓄積し始める「認知症の原因物質」

続く第二部では、ゲストとして東京都健康長寿医療センターの認知症専門医である岩田淳医師と、タレントのなかやまきんに君にもご登壇いただき、異色の組み合わせで、笑いが絶えないトークセッションが繰り広げられました。

(左から)なかやまきんに君(俳優・お笑いタレント)、岩田淳さん(地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター 副院長・脳神経内科部長)、森亮介
(左から)なかやまきんに君(俳優・お笑いタレント)、岩田淳さん(地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター 副院長・脳神経内科部長)、森亮介

まず、岩田医師が認知症に関して説明します。

「認知症の症状が出るのは60歳くらいからですが、ある日突然、症状が出るわけではありません。40歳くらいから認知症の原因とされる『アミロイドβ』が脳に蓄積し始めて、ゆっくりと症状が進行します

現在45歳のなかやまきんに君は、「40歳から」という岩田医師の発言に驚き、「認知症が治ることはあるんですか?」と不安げに先生に質問。すると岩田医師から、こんな答えが返ってきました。

「認知症という病気は治るタイプのものもわずかにありますが、直せる医療技術はまだありません。ただ、進行をゆっくりにすることはできますし、治療の幅は広がっています。軽度認知障害(MCI)の段階であれば、『レケンビ®』のような、進行を食い止める薬も使えます。とはいっても、すべての人に使えるわけではありません。とにかくできるだけ早い段階で、兆候を見つけることが重要ですね」

認知症の専門医・岩田淳先生

ここで、認知症にまつわる2択クイズが行われました。認知症予防に適した食材が白身の魚であること、認知症予防として毎日30分の運動をすることが好ましいことを、なかやまきんに君はお得意の“筋肉ルーレット”も使いながら、答えをずばりと当てていきます。

なかやまきんに君お得意の“筋肉ルーレット”

また、クイズの最中、なかやまきんに君はオメガ3脂肪酸などの不飽和脂肪酸に関する知識も披露。岩田医師は感心しながら、不飽和脂肪酸を含む食材を用いた地中海食が認知機能の低下を防ぐ効果があるとされていると付け加えました。

予防について岩田医師はこうも話します。

「予防をしたからといって認知症にならないとは限りませんが、リスクは下げられます。日本人は80歳代の4分の1が認知症になりますから、早くから予防に努めることが大切ですね(※1)」

介護にかかるお金の目安は?

認知症になった場合に気になるのは、介護の問題です。負担はどの程度なのか、金銭的にはいくらぐらいかかるのか。誰もが気になるこの点について、森は次のように解説しました。

「介護の度合いや地域などによって異なりますが、身の回りのことができなくなり介護が必要になった場合、家の改造や介護用ベッドの購入など、介護用に環境を整えるには一時的に74万円ほどの費用が発生します。また、介護費用としては月に8万円強、年間で100万円ほどかかる試算です(※2)。軽度認知障害(MCI)の段階で治療を開始できれば、公的な医療保険が適用になり、定期的な検診の費用は年間1万4,400円ほどですね。あとは投薬のために通院すると年間14万4,000円ぐらいかかります(※3)。一つの目安としてイメージしてください」

介護費用について解説する森亮介

具体的な数字が飛び出し、会場にいる誰もが早期予防の重要性を実感したことは間違いありません。

認知症の早期発見を促すことで、若い世代の社会保険負担を減らせる
最後に、森は4月から新発売したライフネット生命の認知症保険「be」について、次のように話しました。

「2025年には、65歳以上の約5人に1人が認知症になるという予測もあります(※4)。そもそも日本は超高齢化社会ですから、勤労世代の社会保険料負担は増える一方です。しかし、認知症を早期に発見し治療や対処ができれば、社会保険を薄く広く支えている若い世代の負担を減らすことができます。社会課題の解決につながるという考えからエーザイさまにもアドバイスをいただき、認知症保険『be』の発売に至りました」

※1 出典:厚生労働省「認知症施策の総合的な推進について」
※2 出典:(公財)生命保険文化センター「介護にはどれくらいの費用・期間がかかる?」
※3 出典:ライフネット生命「認知症保険be 軽度認知障害診断一時金の使用例」より
※4 出典:国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 「こころの情報サイト 認知症」

最後に、認知症予防には適度な運動が大切という話を受けて、「誰にでも簡単にできて効果がある運動」として、きんに君曰く世界一簡単なスクワット(膝を曲げて行う屈伸運動)を実践してくれました。

世界一簡単なスクワットを行う3人

なかやまきんに君が伝授するポーズで、笑いと気づき・学びにあふれたイベントは幕を閉じました。

イベントの最後を飾ったのは、なかやまきんに君、岩田医師、森社長の3人による「認知症保険『be』! パワー!」の力強い掛け声

今後もライフネット生命は、認知症とともに生きる社会の実現に向けて、「早期発見・早期治療」をサポートする取り組みを続けてまいります。

<クレジット>
取材/ライフネット生命公式note編集部
文/三田村蕗子
撮影/村上悦子

(2024年8月23日更新)