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FPがアドバイス! 超ビギナーがお金のことを考える第一歩は、家計の“見える化”。

ライフネット生命の公式noteでも、気になるお金の問題にズバリお答えいただいている黒田尚子先生が、新著を出版されました。タイトルは『マンガでわかる お金に人生を振り回されたくないから超ビギナーが今すぐやること教えてください』(主婦の友社)。お金についてどこから考えて手をつけていいのかわからない“超ビギナー”向けに、マンガを交えながら、お金を自分らしく使う知恵と方法を具体的に紹介しています。
 
今回は、この本を出された背景と、本の中から特に詳しくお聞きしたい点を編集部がピックアップして、黒田先生にお尋ねしています。超ビギナーの方はもちろん、お金とまっすぐに向き合って最初の一歩をすでに踏み出したという方も必見の内容です。

※本記事は、お金に関する知識の提供を目的としています。特定の商品の売買の勧誘を目的としたものではありません。金融商品を購入する際は、商品の特性等を十分理解したうえで、ご自身の責任と判断で行ってください。
※本記事は、2023年11月時点の情報を掲載しています。


金融の知識に加えて、実行し活用する力も身に付けてもらいたい


──黒田さんが2022年に出版された『お金が貯まる人は、なぜ部屋がきれいなのか』(日本経済新聞社)は、6万5,000部を超える大ヒットを記録しています(*2023年11月時点)。「お金が貯まる習慣」がテーマでしたが、今回の新著はどのような方向けの内容なのでしょうか。今回の本を出版された背景について教えてください。
 
黒田:『お金が貯まる人は、なぜ部屋がきれいなのか』のターゲット層は、女性を中心にした若い世代です。彼女たちのこれからのライフプランを見据えて、資産運用以前の、お金との付き合い方や向き合い方から考えてみようという提案をしました。
 
おかげさまでとても好評をいただいたのですが、日常生活でのお金の使い方やいざというときの備え方については取り入れやすいものの、資産運用についてはさらに噛み砕いてお伝えしたほうが良いなと感じたんですね。

黒田尚子さん

──節約はがんばってみたけれど、資産運用となるとハードルが高い。そう感じる方が現実にはまだ多いのでしょうか。
 
黒田:そうなんです。でも、それはすごくもったいない。というのも、岸田内閣は2023年を「資産所得倍増元年」として、国民の資産形成を促進し所得を増やすための政策「資産所得倍増プラン」を進めています。例えば、2024年1月から新NISA(少額投資非課税制度)制度がスタートします。変更点は、年間投資枠の大幅な増額と、非課税期間の無期限化、投資枠の再利用が可能になる点です。また、新NISAは現行NISAと並行して運用することもできます。
 
また、2022年からはiDeCo(個人型確定拠出年金)の改革も始まっています。受給開始時期が75歳までに遅らせることができるようになり、60歳未満だった加入年齢も国民年金の被保険者であれば65歳になるまで加入できるようになりました。2024年12月からは拠出限度額も1.2万円から2万円に引き上げられます。
※各制度の詳細は金融庁やiDeCo公式サイトをご確認ください。

──資産運用を後押しする環境が整備されてきているのですね。
 
黒田:その通り。この状況の中で、資産運用をしないのははっきりいって「損」。お金を増やす絶好の機会の損失です。やらないままでは、「運用している人」との差がますます開いていくと思います。
 
そこで、今回の著書では、NISAもiDeCoもまったくわからない主人公のミサキちゃんを中心に3人の女性キャラクターに登場してもらい、10年間にわたってお金との向き合い方を学ぶ設定にしました。彼女には金融の知識だけではなく、実行し活用する力も身につけてもらう構成にしています。
 
今回の著書を一緒に編集した担当の方もミサキちゃん同様、お金については超ビギナーだ、なんておっしゃっていました。「お金のことはわからない」という気持ちが身にしみている方たちです。超ビギナー目線でつくったので、わかりやすい内容になったと思います。
 
──主人公のミサキちゃんは26歳ですが、それよりも上の世代の方にも参考になりそうですね。
 
黒田:それも想定しています。年齢に関係なく、お金を自分らしく使う知恵と方法を身につけることは必要です。NISAの改定が実施されるのは2024年から。もう間近に迫っています。大事なのは資産運用の考え方を知ることですどうして運用することが必要なのか、どのような意味があって、人生にどんな影響を与えるのか。ミサキちゃんの学びや気づきを通してぜひ、超ビギナーの読者の方にも考えてみていただきたいですね。


まずはお金の使い方を可視化、その上で小さな成功体験を積み重ねよう


──早速、読んでみたのですが、思い当たることが本当にたくさんありました。ストレスをコンビニでの買い物で発散させたり、すぐにカフェに寄ってしまったり……。少額の支出が多いことを痛感しました。ただ、お金についての危機感は持っているものの、節約して「お金が貯まる生活」を続けられるのだろうかという自信がありません。継続するために、黒田先生が効果的だと思われるコツについて教えてください。
 
黒田:カフェラテ程度の少額の出費を「ラテ・マネー」と呼びますが、ラテ・マネーでちょこちょこお金を使ってしまっている……という人は、若い世代に限らず少なくないと思います。そんな方に一言。節約はダイエットや部屋の片付けと同じです。やったことにメリットが感じられなければ続けにくい。でも、確かな手応えやメリットがあればモチベーションは維持できると思いませんか?
 
──まさにダイエットと同じですね。手応えがないとすぐにリバウンドしてしまいます(笑)。
 
黒田:がんばっていたのにリバウンドしてしまったら、もったいないですよね。では、どうやって手応えを感じられるようにするのか。まずは見える化からスタートしましょう。いま自分にはいくらの収入があっていくら支出しているのかという実態をつかむことがスタート地点。自分の家計を可視化すれば、「これはいらない」「ここは削れる」という部分が必ず見えてきます。
 
──本の中でもミサキちゃんは自らの家計の実態を洗い出して、「こんなに使っていたんだ」という現実に直面していますね。
 
黒田:このプロセスが重要です。いきなり「これだけ貯金しよう」と考える前に、自分が今いくらお給料をもらっていて、いくら使っているのかを洗い出すことです。その上で、ほんの少額からでも構わないので節約や積立、投資など行動に移してみましょう。家計簿をつけ始めるのもいいし、いままで捨てていたレシートを取っておいて記録することでもいい。会社に財形※の制度について聞いてみるのもいいし、NISAに関する資料を金融機関に請求するのも貴重な一歩です。
 
※財形貯蓄制度の略。給与から一定額を天引きし、勤め先の企業が提携する金融機関に積み立てる“先取り貯蓄”の制度。(参考:『マンガでわかる お金に人生を振り回されたくないから超ビギナーが今すぐやること教えてください』p.89)
 
──ちょっとしたことから始めればいいんですね。それなら続けられそうです。
 
黒田:大事なのはハードルを上げすぎないこと。部屋の片付けも、いきなりごちゃごちゃした部屋をすっきりさせることはできませんよね。少しずつ不要なモノを処分していけば、部屋は理想の状態に近づいていきます。それと同じように、自分ができそうなところから始めるのが継続のコツ。何もしていなかった人でも「家計簿を始められた」のであれば、それだけですごいことじゃないですか。十分なメリットですよ。自信が生まれますからね。自分ができる範囲からスタートして、少しずつハードルをあげていきましょう。

──家計の見える化とは現実を容赦なく突きつけられることでもありますよね。それはつらい、できないと考える方はどうしたらいいでしょうか。
 
黒田:その場合には、思い切ってFPなど信頼できる専門家の手に委ねてしまうのも一つの選択肢だと思います。「見える化なんて怖くてできない」という方にはおすすめです。
 
 
後編では、超ビギナーにおすすめの銀行口座の使い分けや生命保険の基本的な考え方、そして資産運用について、引き続き黒田さんにポイントやコツを解説していただきます。

*後編はこちら↓

<クレジット>
取材・文/三田村蕗子
撮影/村上悦子

<プロフィール>
黒田尚子(くろだ・なおこ) 1969年富山生まれ。立命館大学卒業後、1992年(株)日本総合研究所に入社。1998年、独立系FPに転身。現在は、各種セミナーや講演・講座の講師、新聞・書籍・雑誌・ウェブサイトへの執筆、個人相談等で幅広く活躍。2009年12月に乳がんに罹患し、以来「メディカルファイナンス」を大テーマとし、病気に対する経済的備えの重要性を訴える活動も行っている。CFP® 1級ファイナンシャルプランニング技能士、CNJ認定 乳がん体験者コーディネーター、消費生活専門相談員資格を保有。
●黒田尚子FPオフィス



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