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大人より注意が必要!? 子どもの熱中症対策を知って親子で夏を乗り切ろう!

気温が徐々に高くなり始め、春の終わりと夏の始まりを感じる時期。夏季休暇に向けていろいろな予定を立て始めるご家庭も多いでしょう。
しかし、夏が本格的に始まるのと同時に、熱中症のシーズンも始まるということを忘れてはいけません。特に子どもの場合、大人よりも熱中症の影響が大きいとされています。


熱中症とは?


熱中症の起こり方となったときの症状

熱中症とは、暑い環境に長時間いたことなどで体温が上昇した結果で起きる体調不良の総称です。

通常であれば暑くて汗をかくことなどで熱を逃がし、体温調整が行われます。しかし、気温が高くなると熱が逃げにくいので通常時よりどんどんと汗が出て、水分と塩分が体から失われていき、結果熱中症となってしまいます。

熱中症は「環境」「からだ」「行動」の条件がそろったときに発症するとされています。

・環境:気温が高い、湿度が高い、風が弱いなど
・からだ:高齢者、乳幼児、肥満の人、体調不良(二日酔い、寝不足など)など
・行動:激しい運動、慣れない運動、長時間の屋外作業、水分が補給しにくい行動など

参考:環境省熱中症予防情報サイト「熱中症の予防方法と対処方法」

上記に加えて、高体温、めまいや筋肉痛、倦怠感、頭痛や吐き気、けいれんや失神などの症状が見られた場合には、熱中症を疑いましょう。

熱中症になる人は7~8月がピーク しかし5月も油断できない!

総務省消防庁「熱中症情報」の例年の発表では、熱中症で救急搬送をされる人は7月と8月が最も多く、2023年5月~9月の集計のうち7月・8月には合わせて約7万人が搬送されています。

しかし5月時点でも約3,600人が熱中症となっています。
最近では5月時点でも25℃を超える夏日や、30℃を超える真夏日となる場合もありますので、熱中症対策は5月時点から必要と考えるのが良いでしょう。

子どもの熱中症と大人の熱中症の違い


夏休みに虫取りをしている子どものイメージ画像
画像はイメージです

熱中症は重症化すると命にもかかわる可能性があるものです。特に子どもは、大人よりも熱中症になるリスクが高いとされています。

大人よりも体が発達していないので照り返しなどの外的要因の影響を受けやすい

成長途中の子どもは、体格が小さく、体温調節機能も発達しきっていません。
そのため、外気温が高い場所では、大人よりも早いスピードで熱が上がるため、熱中症にもなりやすいとされています。
また、大人より身長が低く地面に近い分、地面からの照り返しの影響も受けやすいようです。

大人にとって「ちょっと暑いかな」というくらいの気温でも、子どもには「すごく暑い」と感じられている場合もありますので、より注意が必要です。

「熱中症になった」と自覚ができず予防も難しい

子どもと大人の違いに、「熱中症になった」と自覚できるかできないか、も挙げられます。
特に乳児は、自分の言葉で体調不良を訴えることができません。また言葉が喋れる幼児でも「これは熱中症だ」とわからず、症状の表現がうまくできないことがあります。

熱中症特有の倦怠感を「眠い」「疲れた」としか言えない場合もあるようです。子どもからそういった発言があったり、顔が赤かったりしたら、すぐに対処をしましょう。

子どもの熱中症予防にできること・避けたいこと


水分補給をしている子どものイメージ画像
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塩分・水分補給を定期的に行う

まず必要なのは、大人の場合と同じく塩分・水分補給です。
授乳中の乳児の場合は乳児用経口補水液(ORS)やミルク、幼児以上であれば経口補水液やスポーツドリンクなどが良い
ようです。

日本救急医学会「熱中症診療ガイドライン2015」によれば、摂取目安量は年齢によって異なり、乳児では30-50 mL/kg/日、幼児では300-600 mL/日とされています。

また、幼稚園以上の子であれば自分で喉の渇きに合わせて水分補給をする練習をしておきましょう。

暑い環境には徐々に慣らして 遊ぶなら涼しい場所での休憩を忘れずに

熱中症になりやすくなる要素として、「体が暑さに慣れていない」ということもあるようです。
特に、体が暑さに慣れていない中で夏日が来ることのある5月や、急に気温の上がる梅雨明けなどは、気を付けましょう。

暑さが本格化する前に、外遊びなどで軽く汗をかくくらいの運動をして、暑さに体を慣らしておきましょう。
また、暑い環境で遊ぶのであれば、風通しのいい服を選び、涼しい場所で定期的に休憩を取ることも忘れずに!

ベビーカーは地面に近くなるので注意

日よけもついていて便利なベビーカーですが、一方で大人の腰ぐらいの高さのため、抱っこやおんぶの時よりも地面が近くなります。そのため、地面からの熱の影響をより受けやすいです。

ベビーカーで暑い場所を移動するなら、保冷剤などで体を冷やしてあげたり、定期的に涼しい場所で日よけを開けた状態で休憩をして中に熱がこもらないようにしたり、工夫をしてあげるのが良いでしょう。

また、ベビーカーを押している人が日陰に入っていてもベビーカーが日陰からはみ出していると中の温度が気付かないうちに上がっていってしまいますので、木陰などで休む場合は気を付けましょう。

携帯扇風機は使い方に注意をしないと逆効果なケースも

どこでも手軽に使える携帯扇風機(ハンディファン)は、夏場に人気の便利グッズ。お持ちの方も多いと思います。
しかし一方で、「一定以上の暑さでは逆効果になる可能性もある」という情報もあり、使い方には注意が必要なケースもあります。

携帯扇風機を使うなら、冷房の効いた場所や、濡れたタオルなどを肌に当てた状態で使うようにするなど、組み合わせて使うのが安心かもしれませんね。

子どもが熱中症になったときの対処法


予防に気を配っていても、熱中症になってしまうこともあります。
いざというときの対処方法を覚えておきましょう。基本の行動は、次のフローを参考にしてください。

熱中症の応急処置
出典:環境省熱中症予防情報サイト「熱中症環境保健マニュアル 2022」

呼びかけに答えらえるなら涼しい場所へ移動して体を冷やすなどの応急処置を

呼びかけに答えられる(乳児の場合は反応がある)のであれば、涼しい場所へ避難をして、体を冷やすなどの応急処置をしましょう。

冷やす場所は、首やわきの下、太ももの付け根など、太い静脈が通っている場所です。保冷剤や凍ったペットボトルをタオルでくるんだものなどを使いましょう(薬局で販売している冷感ジェルシートは、体を冷やす効果はなく、熱中症の応急処置には向きません)。

その後にはしっかりと塩分と水分を補給し、翌日も体調不良がないかしっかり様子を見てあげることも大切です。

呼びかけに答えなかったり症状が悪かったりするなら病院へ

呼びかけに答えられない・反応がない、自力で水分補給ができない、体を冷やしたり水分補給をしたりしても体調が戻らないときは、迷わず病院へ行きましょう。

特に呼びかけへの反応がない状態の場合は、急を要する可能性がありますので、救急車を呼んでください。そして到着を待っている間も、体を冷やす・涼しい場所へ避難するといった対処を行いましょう。

熱中症の正しい知識と、子どものためにできる熱中症予防、応急処置法を把握しておき、楽しい夏を過ごしましょう!

構成・文/年永亜美(ライフネット生命公式note編集部)

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