医療保険選びのポイント②【保険なるほど相談室】Vol.6
「入らなきゃ、とは思っているけれどよくわからなくて……」、保険を選ぼうとしたときにそんなことを思う方もいるかもしれません。ファイナンシャル・プランナーの黒田先生にアドバイスをいただきながら、少しずつ保険のことをお伝えしていきます。
今回は、医療保険を申し込む時に決める、給付金日額と保険期間、保険料払込期間について考えてみましょう。
給付金日額っていくらにしたらいいの?
給付金日額とは、入院したときなどに受け取れる1日あたりの金額のことです。給付金日額を決めるときは、公的医療保険が適用されない自己負担額の例を確認して考えてみましょう。
自己負担額のうち、入院時にかかる医療費と食事代は、1日で約4,400円(※)。この金額を目安に給付金日額を設定すれば、最低限の備えはできそうです。また、入院中、人の話し声やお見舞いの人が来たときが心配なら、「差額ベッド代」を負担することを踏まえて給付金日額を考えてみましょう。
個室への入院を前提にするのなら、入院1日あたり8,000円を目安にするのも選び方の一つでしょう。
※出典:医療費が100万円かかった場合の高額療養費給付後の自己負担額 (70歳未満で年収約370~約770万円の方)
8万100円+(100万円-26万7,000円)×1%=8万7,430円 1日あたりの自己負担額 8万7,430円÷30日=2,914円→約3,000円
全国健康保険協会 平成30年4月「入院時食事療養費」
保険期間と保険料払込期間はどう決めればいいの?
保険期間とは、保険で保障される期間のことです。一定期間だけ保障される定期タイプと、一生涯保障される終身タイプがあります。
定期タイプは5年や10年など、保障が受けられる期間を選びます。その期間が終わった後も同じ保障内容で保障を受けたい場合には、更新の手続きが必要です。たとえば、契約年齢が30歳のときに10年間の保険期間で契約していた医療保険を更新する場合、新たな契約では40歳の保険料での契約となります。そのため、多くの場合保険料は以前より高くなります。
終身タイプは保障が一生涯続き、保険料も加入時から上がることはありません。
短期的にみると定期タイプの保険料が安く見えますが、更新のたびに、年齢が上がるほど保険料は高くなっていきます。長い期間に渡って更新した場合は、保険料の総支払額が終身タイプを上回る可能性もあります。そのため、一定期間保障があればよい人は定期タイプで、一生涯保障がほしい人は終身タイプで備えるのがおすすめです。
保険料払込期間とは、保険料の支払いが必要な期間のことです。こちらも一定期間で保険料の支払いを終えるタイプと、一生涯支払いを行うタイプがあります。
一定期間で保険料の支払いを終えるタイプは、65歳までなどあらかじめ決めた期間、保険料を支払います。一生涯支払いを行うタイプは、一生涯保険料の支払いが続きます。
同じ保障内容で比べた場合、一定期間で保険料の支払いを終えるタイプの方が、月々の保険料は高めになります。しかし、一生涯支払いを行うタイプは65歳など定年を迎えてからも支払いが必要になります。
老後の保険料の出費を抑えたい人は一定期間で保険料の支払いを終えるタイプ、月々の保険料を抑えたい人は一生涯支払いを行うタイプを選ぶと良いでしょう。
保険料はいくら位がちょうどいいの?
ここまで保障内容について見てきましたが、保険料はいくら位がちょうど良いのか? と気になった人もいるでしょう。
保険料は、毎月支払っても貯金などがきちんとできる金額に抑えることが理想です。もしもの時のためにと保障を手厚くしていくと、どんどん保険料が高くなっていきます。いつか来るかもしれない日のために、日々の生活が苦しくなっては本末転倒です。日本は公的保険が充実していますので、医療費が際限なく高くなることはありません。保険料と保障のバランスを取るようにしましょう。
ただし、保険料を抑えるために保障を少なくしていくと、いざという時に給付金が受け取れない、ということもあるかもしれません。保険料のために必要な保障まで削らないよう気を付けてくださいね。
▼保険のこと、基本からゆっくりわかります【保険なるほど相談室】
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監修/黒田尚子
構成・文/年永亜美(ライフネット生命公式note編集部)