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ライフネット生命の一人ひとりが大切にする価値観「Lifenetter Values」とは

ライフネット生命は2024年5月、開業16周年を迎えました。

ライフネット生命では、会社の経営理念であり社員の行動指針として「ライフネットの生命保険マニフェスト」を掲げています。これに加えて新たに、ライフネット生命で働くすべての人が大切にする価値観「Lifenetter Values(ライフネッターバリューズ)」を策定しました。

その経緯について、開業時からライフネット生命を支えている執行役員の片田と、人事総務部の窪川に話を聞きました。


開業16年を迎えて「Lifenetter Values」策定の理由に環境の変化があった


執行役員の片田薫。2008年にライフネット生命の準備会社「ネットライフ企画」に入社した。
執行役員の片田薫。2008年にライフネット生命の準備会社「ネットライフ企画」に入社した。

―まず、「Lifenetter Values」とはどういうものなのでしょうか。

片田:「Lifenetter Values」とは、直接雇用の社員だけでなく、業務委託などでご協力いただいている方も含む、ライフネット生命で働くすべての人(=Lifenetter)に大切にしてほしい価値観(=Values)をまとめたものです。

今のライフネット生命は、コロナ禍以降に入社した社員が多くなっています。コロナ禍以前入社の社員と以降に入社した社員との環境の違いは大きなものです。
例えば、これまでであれば社内で交わされる雑談などを耳にして、なんとなくライフネットのカルチャーを知って、そこに自分もなじんでいける環境があったと思います。

しかし、コロナ禍以降に入社した社員はリモートワークからスタートをして、オフィスに出社する機会が少なかった人も多かったので、そうした方法で社内のカルチャーに触れることが少なくなっていました。
コロナ禍からのこうした状態では、ライフネット生命の社員たちがもともと持っているカルチャーや気概は、自然には伝わらないし、受け継がれるのが難しいなと気づいたことが、「Lifenetter Values」をまとめようとしたきっかけです。

“Lifenetter Values”は、「ライフネットの生命保険マニフェスト」の実現のために、Lifenetterの一人ひとりが大切にする価値観です。
「Lifenetter Values」はお客さまへの誠実さや仲間への敬意など、ライフネット生命が大切にする価値観が盛り込まれている。

30種類以上の言葉から、全社員のワークショップをベースに価値観の共通点を探る


ワークショップについて説明する片田

―今回の「Lifenetter Values」策定は、全社員参加のワークショップから始まり、希望者を募って最終的な形をまとめていく方式がとられました。その理由についても伺えれば。

片田:社長の森や私には伝えたいことがあったので、それを形にして全社に伝達する方法もありました。
しかし、それだと結局、その言葉は社員皆さんのものにならない。そこで、全社員でのワークショップを実施しました。

ワークショップでは、ライフネット生命で働く人として大切にしたい価値観を、「多様性」「変化を起こす」「安定を保つ」「楽観的である」「正直さ」「カオスを楽しむ」といった30種類以上の単語から、それぞれの社員が選んでいきました。

―「尖っていること」や「泥臭さ・実直さ」など、さまざまな単語がありましたよね。

片田:同じ単語でも人によって真逆の捉え方をすることもあり、その人その人の経験や考え方が出るんだなと感じました。しかし話を聞いていると、違うように聞こえても、求めているものは同じということもありました。

―社員からのリアクションで印象的なものはありましたか?

片田:数回に分けて実施したワークショップがすべて終わった後、「Lifenetter Values」を形にするための事務局参加者を募りました。ワークショップでの議論から、大切な要素を抽出して言葉にまとめるという大変なものなのですが、携わりたいという人がなんと20人以上も手を挙げてくれました。

社歴が長い人が多いのかと思いきや、入社して間もない人も結構な割合でいて、驚きましたね。
そういう方はもしかしたら、これまでライフネット生命が大切にしてきたことをもっと知りたいと思ってくれたのかもしれません。
社歴等に偏りがないように気を付けつつ、ワークショップの運営を行った人事の窪川さんと一緒に事務局参加者を決めました。

ゴールが見えない瞬間もあったが自分たちの言葉で「ライフネット生命らしさ」が表現できた


片田(写真左)と人事総務部の窪川(写真右)
片田(写真左)と人事総務部の窪川(写真右)。人事総務部では、Lifenetter Valuesを策定した今も社内への浸透を図るために継続的にワークショップを実施している。

―二人は事務局の中核を支えていましたが、言葉を練っていく過程では取捨選択も必要で、難しかったのではないかなと思います。苦労したことや、面白さを感じたことなどはありますか?

片田:「同じ言葉でも、人によって解釈が異なる」という点は、今でこそ面白さとして受け止められていますし、社員が多様であることの裏返しでもあるのですが、当時は大変さも感じていました。

窪川:事務局の皆さんの貢献したい気持ちの尊重と、どこまで時間をかけるかのバランスをとるのが難しかったですね。

―皆さんストレートに意見を言ってくれますよね。ライフネット生命のことをこれだけ考えてくれる人がいるということを改めて知ることができました。

片田:特に事務局が動き始めたころは、「変化・挑戦・一体感」など「言葉として覚えやすいもの」にまとめようとしていました。単語に1~2行説明がついている程度の、合言葉のようなイメージです。
しかし、それだとライフネットらしさがそぎ落とされ、どこにでもあるありふれたキャッチフレーズになってしまいました。また、そのキーワードを選んだ意味や目的が表現できていない部分もありました。そのため、途中までの議論をいったん全部ひっくり返す、ということもしましたね。

―会社として大切にする価値観を言葉にすることは、求める人物像やありたい姿のリクエストを出すようなものなので、葛藤や気を遣う部分もあったと思います。どうしても入れたかった要素などはありますか?

片田:人的資本にかかる方針として掲げている、「多様性」と「成長」に関する要素は必ず入れよう、と決めていました。会社を成長させていくには、多様な社員一人ひとりが挑戦する中で成長し、それを事業の成長につなげ、事業成長によりまた新たな挑戦の機会が生まれるという好循環を回していく必要があると考えています。

ほかにも、「元気に、明るく、楽しく」は創業者である出口さんが社長だったときから言い続けてきたキーワードで、今回も取り入れています。
実は、これを入れるにあたっては、「元気に、明るく、楽しく」働くことはどういうことなのかという議論を丁寧に行いました。

―出口さんや社長の森さんが言葉で言うのと、書き言葉で掲げるのはかなりニュアンスが違うという話もしましたよね。また、仕事である以上、大変なこともあるとわかったうえで、安易に「元気に、明るく、楽しく」と掲げるのはどうなのか、という話だったかと思います。

片田:私たちは世の中でほかの人がやっていないことに挑戦をしていく会社です。
「悲観は気分、楽観は意志」という言葉もありますが、難しいことをあえて楽観的に捉え、挑戦を楽しめるのが「Lifenetter」だよね、と言えるのがポイントだと思っています。

―改めて、外部の専門家に依頼せずに、自分たちで手作りするのは大変なことでしたね……これだけの文章をみんなで作ることはめったにないと思います。

窪川:最初のころは「ライフネット生命らしさが足りない」とフィードバックを受けたこともありましたが、内製したからこそ、なじみのある言葉が生まれたのかなと。

片田:最初の素案を役員会に出したときは、役員と話をする中で、「何か違うな」という雰囲気がありました。私たちなりには一回納得したのですが、事務局の中で話していた熱量や思いが乗っていないなと感じたのです。
そのあと、ブランドマネージャーである川端さんの助けを借りてゼロからストーリーを紡ぎなおしました。これは「Lifenetter Values」策定の大きな転換点でした。

ほぼ出来上がっているものに固執せず、言葉を編みなおしたことは、最終版へと着地させるために必要なことでした。「ここまでいったならこれでやらなきゃ」となるのではなく、妥協せずに突き詰めていくという過程にも、ライフネット生命らしさを感じます。

まとまりかけたと思えば、次の回では新しい視点の話が突然出ることもあって、事務局に入っていないメンバーにも意見を求めて要素を整理し、キーワードを付けなおして……と、ゴールが見えない瞬間もあったのですが、誰も投げやりにならず、最後まで議論できたのがよかったです。
最終的に、ストーリーを箇条書きにして端的にまとめる過程でも、大事な要素が落ちないようにする点にはこだわりました。

―「Lifenetter Values」では、「こうあるべき」「こうすべき」ではなく、「こうします」と一人称になっているのが特徴的だなと思います。それには何か理由があるのでしょうか?

片田:私は昔から、ルールを固めすぎるのは避けたいと思っています。ルールだけが生産性を高めるわけではないですし、細かくしていくほどに息苦しくなっていく。それが発想や挑戦の幅を狭めていくのではないかと思っています。
この「Lifenetter Values」は、会社から与えられたルールではなく、「Lifenetter」自身がこうありたいと願う姿を言語化したものです。
社員それぞれが「Lifenetter Values」を体現していれば、細かいルールはいりません。この「Lifenetter Values」を共通言語として、プリンシプル(原理原則)さえ大切にしてもらえれば良いのです。

―息苦しくないか、を意識するのもライフネット生命らしさを感じますね。
いろいろと話すための共通言語ができたので、新しいものを生むための意思疎通もしやすくなりそうです。

「Lifenetter Values」を通じてライフネット生命と自分を知ってほしい


採用面接も担当している片田
片田は採用面接も担当している

―「Lifenetter Values」について、今後どのようにしていきたい、あるいはこう活用してほしいというものはありますか?

片田:想定しているものの一つは、採用時のライフネット生命についての価値観の共有ですね。

ライフネット生命には採用サイトもありますが、ライフネット生命を志望されている方をはじめ、多くの方に見ていただいています。社員のインタビューも注目度は高く、面接時や入社後に「●●さんですよね」と言ってもらうこともあるようです。

紆余曲折を経て編み上げたものだからこそ、私たちの思いや大切にしている価値観が伝わるものになっていると自負しています。ライフネット生命で活躍している人はどんな人物か、求めている人物像がどんな人かを言語化したものでもあるので、応募を検討する方にもまず目を通してほしいと思います。

今ライフネット生命で働いている人は、私自身も含めて、「Lifenetter Values」をすべて体現できていると自信を持って言える人はいないと思います。
Lifenetterとしてありたい姿と実際の自分とのギャップがどれくらいあるのか、自らを定期的に顧みるために使ってほしいですね。

<インフォメーション>
ライフネット生命 採用サイト

<クレジット>
取材/ライフネット生命公式note編集部
文/年永亜美(ライフネット生命公式note編集部)

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