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「先進医療は高額な費用負担が必要」って本当?

医療の技術は日進月歩。ひと昔前にはできなかった新しい治療法が、「先進医療」として受けられることもあります。

生命保険会社の先進医療保障に関する広告等が増えた影響で、先進医療の認知度は上がってきていますが、肝心の「先進医療とは一体何か」という点に関してはさまざまな誤解があるようです。“健康保険のような公的な医療保険が適用とならないものはすべて先進医療である”と誤解されてお問い合わせされる方も少なくはありません。

そこで今回は、改めて「先進医療」の基本についておさらいしておきたいと思います。

先進医療とは「保険適用となるかどうか評価を受けている最中の医療技術」


先進医療とは、大学病院などで実施する高度な医療のうち、厚生労働大臣の承認を受けた医療技術のことをいいます。将来的に健康保険を適用するかどうか、評価段階にある医療技術です。先進医療は78種類ほどで※1、技術料は全額自己負担となりますが、保険診療との組み合わせが認められていますので、従来通り、保険診療部分に関しては健康保険などの公的な医療保険を使用することができます。

※1 出典:厚生労働省「先進医療の概要について」令和6年7月1日現在
(注:先進医療の種類や実施機関については変動的です。また、健康保険適用となり先進医療に該当しなくなる場合もあります)

どこでも受けられるわけではない


先進医療は誰でも望めば受けられますが、高度な医療技術であるため、どの医療機関でも自由に受けられるわけではありません。中には、全国数ヶ所でしか実施されていない先進医療技術もあります。実施機関は厚生労働省が定める施設基準に適合すると届け出た医療機関で、具体的な医療機関名は厚生労働省のウェブサイトで確認できます※2。

※2 出典:厚生労働省「先進医療を実施している医療機関の一覧」令和6年7月1日現在

費用は自己負担、1万円未満から300万円を超えるものまで


また、先進医療は健康保険のような公的な医療保険が適用されないため、費用は患者が負担することになります。しかし、だからといってすべてが高額なわけではなく、各種先進医療の費用は1万円程度のものから、300万円を超えるものまで多岐にわたります※3。

※3 出典:厚生労働省「令和5年6月30日時点における先進医療に係る費用」

先進医療は保険診療との併用が認められています


先進医療を受けるために入院した場合も全額自己負担になると思っている人は多いようです。しかし、先進医療はそもそも保険診療との併用が認められていますので、保険診療部分(診察・検査・投薬・入院料等)については保険が適用され、医療費の一定金額以上が払い戻される高額療養費制度も利用することができます。

このように先進医療の実態を知っておくことは大切です。いわゆる民間の生命保険の保障で取り扱われている「先進医療保障」は、あくまでも厚生労働省が定めた先進医療のみが給付対象であり、保険適用外で全額自己負担となる治療費(日本で未承認の抗がん剤の費用など)が全てカバーされるわけではないということも併せて覚えておきましょう。

先進医療でも通常の入院でも、保障内容を把握していることがスムーズな請求の基本です。保障を追加したり、新たに契約をしたりする前には、必ず「どのようなときに支払われるか」を理解できる保障内容かどうか確認しましょう。

<クレジット>
文/ライフネット生命公式note編集部

※こちらの記事は、ライフネット生命のオウンドメディアに過去掲載されていたものの再掲です。

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